マイクロ波帯におけるフレキシブルプリント基板の湿度条件下の伝送特性に関する評価

摘要

フレキシブルプリント基板材料であるポリイミドは高い吸湿率を示し、その複素比誘電率は、湿度条件によって変化を生じる。この事から、湿度による影響について検討するため、ポリイミドを用いて伝送線路を作製し、25℃60％RHの湿度条件下と乾燥条件下のマイクロ波帯における伝送特性の評価を行った。その結果、マイクロストリップ線路において、湿度条件下における透過特性(S_21)は、乾燥条件に比べ20GHzにおいて1.3［dB/100mm］小さな値を示した。一方、差動伝送線路において、湿度条件下におけるディファレンシャルモードの透過特性(S_(dd21))は、乾燥条件に比べ20GHzにおいて約1.2[dB/100m]小さな値を示した。また、これらの測定結果について電磁界シミュレーションを用いて解析し、湿度条件下における伝送特性への影響について検討を行ったので報告する。