東京大気汚染訴訟で賠償命令：自動車メーカーの責任は棄却

摘要

自動車排ガスで健康被害を受けたとして都内のぜんそく患者ら99名が国と都、首都高速道路公団、自動車メーカー7社を相手取って、排出物質の差し止めと22億3850万円の損害賠償を求めた東京大気汚染訴訟（第1次）の判決が東京地裁で言い渡された（10月29日）。 判決は、未認定患者1名を含む7名に対して自動車排ガスと健康被害の因果関係を認め、国と都、公団に総額7920万円の賠償を命じたが、初めて被告席に立った自動車メーカーの責任については「過失なし」として棄却した。 今回の判決（都を除く被告、原告ともに控訴）は、大気汚染のメーカー責任こそ問われなかったが、「有害物質を低減させる社会的責務がある」と言及、排ガス低減のメーカー責任を改めて浮き彫りしたといえる。