年後,10年後の将来像を模索/埼玉県の河川改修事業について

摘要

最後に現在，さらには将来に向はて「河川に何が求められているのか」という点について考えてみたい。 これまで述べてきたように，埼玉県の河川砂防政策は地域住民との連携·協働を図りながら，①つくる＝治水·砂防，②まもる＝危機管理，③っかう＝環境の3つの視点から行われている。 県の基本方針である①災害に強い地域づくり，②自然や人にやさしい川づくりはいうまでもないが，われわれ河川管理者には河川を何よりもまず「まもるために」「つかうために」を考えながら「っくる」ことが求められている。 また，「まもる」立場や「つかう」立場からみれば，河川に求める最大のポイントは「安心·安全」（構造·強度·ゆとり·やすらぎ）であろう。 こうした点を考えるとき，河川に対する①周辺環境への配慮（見栄え，見た目）や②自然環境への配慮（植生·魚類等）き③ゆとりとやすらぎ（使いやすさ）といった観点は必要不可欠となる。 さらに，われわれほ今後とも「地元が何をもとめているか」「何を守ろうとしているのか」「機能は満たしているか」「5年後,10年後の将来像」など巷常に意識して川づくりを進めていかねばならないと考えている。