今後の石油供給問題がエンジン技術に与える影響（前編）--石油供給の将来予測

摘要

種々の説があるが，1859年に米国において世界で最初の機械掘りの油井から石油が生産されたと言われている。この頃の油井では，掘り当てれば地中にある石油は地圧により自噴した（図1）。流動性が良い高品質の在来型石油の典型的な特徴である。ほぼ同じ頃の1862年に内燃機関の一つであるオットー機関が発明された。現在広く用いられている火花点火エンジン（ガソリンエンジン）の原型である。当初はオットー機関にはアルコールが燃料として用いられていたが，そのうちに石油から精製されたガソリンが使われるようになった。