生コン組合の組織運営の活性化理念と戦略

摘要

長年，生コン業界を支えてきた官公需が，政府の財 政改革と国内社会資本の充実に伴って減少し続けている。 加えて，民需もバブル経済崩壊後の長期にわた 景気低迷のために伸び悩んでいる。 とはいえ，今後も都市再開発や社会資本メンテナンス，民間住宅の買い換え需要などが見込まれ，決して生コン需要がなくなることはない。 しかし，高度経済成長期やバブル経済期のような需要の大幅拡大を，今後ほ期待することばできない。 こうしたなか，生コン製造業者とその関連会社は，右肩上がりの経済を前提とした受け身の姿勢の経営では，やがて多くの企業が淘汰される可能性がある。 どの業界でも厳しい時代ほど，市場経済では顧客による事業者の選別が進む。 やはり，今こそ生コン組合は，挑戦意欲と事業継続への強い情熱をもっ組合員に支えられた組合運営を行っていく必要がある。つまり，右肩下がりの経済でも，組合とその組合員は，高付加価値経営を実現できる能動的な組織運営体制を確立しなければならない。