ダイカストの歩み-活字鋳造から自動車足回り部品まで

摘要

活字の大量生産方法として誕生したダイカスト法は，いま170年を過ぎようとしている。 今日ではアルミニウム合金の鋳造においてその果たす役割は極めて大きくなってきた。 そして，長年の研究·技術開発の成果が実り，今や自動車の足回りやボディ部品などが生産できるまでに至った。 これからも新たなダイカストの用途が開拓され，生産量の更なる向上が期待される。 しかし，品質·信頼性を向上させる鋳造欠陥抑制技術の開発においては，まだ対応すべき鋳造欠陥，例えば焼付き欠陥や割れ欠陥のように解決の難しい問題が山積されている。 また，少量生産に対応した設備·金型技術の開発においても今後の課題として残っている。 今後更にダイカストの用途を拡大し，国際競争力を高めていくには，これらの諸課題に対して産·学·官が連携して取組み，解決を図る必要がある。