種々の希土類化合物を用いて粒界拡散処理したNd-Fe-B系焼結磁石の保磁力

摘要

粒界拡散処理したNd－Fe－B系焼結磁石における保磁力増大の原因について明らかとするために，結晶粒界近傍の組織観察と種々の希土類酸化物を塗布したときの保磁力の変化を調べた．2 mmの厚みを有する磁石の中央部分においても表面から吸収·拡散させた希土類成分が粒界相に連続的に分布していることがわかった．また，粒界柏に拡散した希土類は粘R_2Fe_(14)B結晶粒の界面近傍において，少なくとも逆磁区の核生成に影響を及ぼす深さまでは拡散していると考えられる．