三次元心磁図計測に基づく運動負荷による心筋活動の検討

摘要

木製エルゴメーターを用いた健常者の運動負荷における三次元MCG計測を行った．運動負荷直後と負荷後安定状態のMCGの比較より，PDRでは，QRS分節で運動負荷直後のパワーが減少し，ST－T分節ではパワーが増加することを示した．パワーマップでは，接線磁界成分で心筋の活動部位をピークとして捉え，R－R間隔の変化に伴った活動部位の変化を捉えることができた．またパワーマップのR-R間隔の変化に対する相関では，QRS分節で運動員荷直後と負荷後安静状態で変化が少なく，ST-T分節で変化が大きいことを示した．今回健常者の運動負荷においてMCGのST変化が確認された．このことから健常者において心筋の一部が虚血状態とな猛，その部位と正常部位に電位差が生じ，傷害電流と同様な電流が流れたと考えられる．この原因の一つとして，急激な負荷を与えたことが考えられる．今後，さらなる検討が必要である．