ゼオライト膜を用いた浸透気化分離

摘要

1990年代のはじめに，ZSM-5とA型ゼオライト膜で高分子膜を超え実用性の可能性を示す優れた浸透気化分離の透過データが報告され，その後FAU（X型とY型），T型，モルデナイト，フェリエライト，ETS-10，DDR，TS-1などのゼオライト膜の分離結果が報告されている．これまでに浸透気化分離については高分子膜による数多くの報告例があるが，それらの膜に比較してゼオライト膜は高透過·高選択性でゼオライト膜モジュールは脱水膜としてすでに80数基の実用化実績がある．今後，バイオマスアルコールの濃縮分離等への適用等でさらに大型化が検討され，さらに近年，ゼオライト多結晶膜の合成が活発化し，分離膜への応用をはじめセンサー膜としての利用や触媒膜としてメンブレンリアクターへの適用など幅広い展開が期待されている．