翼角可変羽根車をもつ遠心ポンプの気液二相流性能とデイブューザ翼設置効果

摘要

一般に、翼出口角22.5°（Stepanoffの推奨値）程度の後向き翼をもつ遠心ポンプ羽根車が、水単相流時において高効率を示す。しかし、ポンプ内に空気が混入すると気液混合比、高々数％の空気混入により揚水不能となることが知られている。ところで著者らはこれまでに、羽根車の高翼出口角化により、高気液混合比での揚程と効率を比較的高く保つことができることを実験的に明らかにした。これらのことから、翼出口角が可変の羽根車を用い、気液混合比を検知しつつ適切に翼出口角を変えてやれば、液単相流と気液二相流時の双方で高効率運転が可能となることが期待される。そこで本報では、まず、翼出口角可変機構をもつ遠心羽根車を試作して、その液単相および気液二相流性能について調査し、液単相流および気液二相流時の双方での使用における翼角可変遠心羽根車の有効性を検討する。一方、著者らは、高翼出口角羽根車の場合には、適切な形状と設置角度をもつデイフューザ翼を羽根車下流に設置することが気液二相流性能改善に有効であることを確認した。そこで本報では、翼角制御遠心羽根車とディフューザ翼を組合せた場合の気液二相流性能改善における相乗効果についても検討する。