ボゥと歩んで30年--高分子液晶に魅せられて

摘要

表題のボウは棒のことである。 この棒が個性的で、面白くて、美しくて、それ以外のものには目もくれず歩いてきた。 夢現に。 したがってボウとしていたことにもなり、この二つをかけて表題としてみた。 棒の形をもつ典型的な高分子は合成ポリペプチド、またその代表的なものがポリグルタミン酸のエステルである。 α－ヘリックス棒を安定に形成し、多くの側鎖種（R）を導入でき、各種溶媒に可溶であることを特徴とする。はじめて出会ったのが大学の卒業研究で、その最初の試料がR＝－CH_3の最も基本的なポリ（γ－メチルL-グルタメート）（PMLG）であった。 文字どおり研究素材として最初に触れた高分子である。 "溶液キャスト法でフイルムを作製し、固体構造·物性の研究をやりなと液晶とのとどまることのない長い旅が始まった。