パルス放射光X線によって高速分子磁性変化とそれに伴う構造変化を見る--光エネルギーの有効利用を目指して

摘要

光エネルギーをより利用しやすいエネルギーの形態に変換·貯蔵し，有効利用のための高効率システムを構築することば，人類にとって持続可能な社会の実現に向けた重要な研究課題である。また光を用いた物質の制御は，次世代の光通信や光情報処理素子開発のためのキーテクノロジーとして期待されており，特に光により磁性が変化する物質は，超高速光通信に必要不可欠な光スイッチングデバイスへの応用の観点からも注目を集めている。よりよい機能をもった新物質設計を行うためには，その基礎的な情報である光による分子内の高速な磁性の変化と，それに伴う高速な分子構造の変化に関する情報を得ることが重要である。