除本理史·大島堅一·上園昌武著『環境の政治経済学』

摘要

本書は，環境問題の現場に入り，また自ら環境NGOの活動にも携わってきた気鋭の環境経済学老3名による環境経済学教科書である．同時に本書は，都留重人，宮本憲一に始まり，吉田文和，寺西俊一らによって発展させられてきた日本の批判的環境経済学の伝統が，新しい世代に引き継がれ，独自の発展を始めつつあることを宣言した点で画期的である．以下，本書の内容を紹介しつつ，他の類書にはない本書の特徴とその意義についてみていくことにしたい．