CDMの負の社会影響と制度改善策－事例にみる制度の課題－

摘要

京都議定書に基づき実施されるクリーン開発メカニズム（CDM）は，発展途上国（ホスト国）で実施されるプロジェクトにより，プロジェクトがない場合と比して追加的に温室効果ガス（GHG）の排出が削減されるとその削減分を削減クレジットとして発行する仕組みである．京都議定書第12条2項には，CDMの目的として①非附属書I締約国（途上国）が「持続可能な発展を達成」すること，及び②大気中のGHG濃度の安定化への貢献を支援すること，並びに③附属書I国（先進国）の削減目標の遵守の達成を支援することを定める.