建築家·徳永正三先生と恩師·原本裕夫

摘要

1968年（昭和43年）4月20日、川鉄商事東京駐在として社会へ出た川崎製鉄千葉工場で土建部長をされその後川鉄商事の重役として建築部門を担当されていた原本裕夫氏に初めて遭った。「仁波君は何が専門ですか」と聞かれた。「学校では、都市計画を少し勉強しました」というと「それじゃ駄目だ。一年ほど川鉄の建材技術室に預かってもらって勉強してもらおう」とその日のうちに、当時丸の内交通公社ビルの荻野英也、山口修一、福島謙二の3氏を紹介していただいた。「明日からここへ直接出向いたらよいから」とまるで自分の会社のようであった。原本さんからは「みんな俺の後輩だから遠慮せずに、解らんことは何でも聞いて教わったらいいよ」と言っていただいた。みんな大変親切にしていただいて、今でも往時を思うと感動が込み上げてくる。