上海旗忠森林体育城テニスセンター

摘要

ここで紹介する上海テニスセンターの可動屋根は、その実現までに数奇な運命を辿ることになったきわめて珍しい例である。 僕たち構造設計者は、誰がこの滅茶苦茶に困難な鉄骨を組み上げたか知らないし、鉄骨延方会社も誰がこれを考案し設計したのかを知らされていない。 この連載の主旨にまったく反するのだが、設計と施工の分割分離、意志の交流のまったくないにもかかわらず、立派に出来上がったきわめて珍しい例である。