転位挿入

摘要

転位挿入とは，形式的には金属上の不飽和配位子A＝Bがシス位の金属一有機配位子R結合に“挿入”する反応であるが，実際にはRがA＝Bに“転位”する。中心金属の型式酸化数は変化しない。A＝Bが一酸化炭素の場合には1，1一転位，オレフィンの場合には1，2一転位が起こり，Rの種類による転位の起こりやすさは，1，1一転位と1，2一転位でそれぞれ異なる。