圧力鍋の話－超臨界水·水熱·マイクロ波の利用による重水中での有機化合物の水素一重水素交換反応

摘要

一昨年，本誌ラウンジ欄に「粥の中身の詣一有機金属溶液のⅩ線構造解析」という象通で有機金屑反応剤溶液の構造をⅩ線?中性子線散乱により解析するという我々の試みを紹介する機会をいただいた1）。 その後も研究を継続しているが，中牲刊放乱を測定する際に極めて高価なエーテル類の東水素化溶媒を使用することや，必要な炭化水素系の重水素化溶媒がみつからないことが，いつも問題となっていた。 そこで，いっそ自分連で合成すればどうなるか，ということを真剣に検討するようになった。 重水素化された有機化合物を得るには，重水素（D2）および重水（D_2O）を重水素源にするいわば一次的な水素一重水素交換による合成と，重水素化ベンゼンとの交換を利用するような，すでに重水素を含む有機化合物との交換による二次的な方法がある2）。 前者の方が価格的な面から望ましい合成法と考えられるが，その一次的な方法においても薮水素（D2）よりも重水（D20）を重水素順にする方が操作的には容易である。 蒐水を用いる水素一重水素交換（H－D交換）というものを考えた場合，垂水を溶媒としてJ削－ることになるが，交換率を上げていくには，その反応条件を強くする必要が生じる。 しかし，鼠水といえども水であるので沸点ま100℃をわずかに超えるだけで，これが′馴三l三の反応脱皮の上限となる。ただ，密封容器だと折は追う。