アルフレッド　ノーベル工業雷管，ダイナマイトの発明とダイナマイト帝国の建設

摘要

昨年2002年秋，小柴昌俊氏がノーベル物理学賞，田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞すると，マスコミだけでなく，日本全体が大騒ぎとなり，年を越して1月になっても，その興奮から覚めなかった。 日本で初めて1年に2名受賞したこと，小柴，田中両氏の魅力的な性格，特に田中氏が43才で博士号もなく，島津製作所の一主任だったことなどとニュース性に富んでいたことも，その原因であるが，それにしてもノーベル賞の威力はすばらしい。 ノーベルという一個人の名前のついた賞でありながら，他の国内，国外のどの賞とも比較にならない位，権威があり，名誉が与えられる。そのノーベルは，衆知のとおり，我々が関係する火薬の一つで，しかも100年以上にわたって爆破薬の王座を占めてきた，ダイナマイトの発明者である。 また，ノーベル賞はノーベルがつくったダイナマイト帝国によってできた，彼の莫大な遺産を基金としている。