鉄道車両の溶接 第3回 車体の溶接（2）－屋根,妻,台枠の溶接

摘要

今回は，車両構体6面体（図1に略図）のうちの屋根，妻，台枠の溶接·接合について解説致します。屋根構体は，家屋と同じように雨，雪等を防ぐ役割の他，冷房装置や集電装置などの機器を支える役割があります。妻構体は車端部分を指しますが，2種類あって，運転室を備える運転妻（丸妻や構造によって先頭構体ともいいます）と，車両間の連結部となる連結妻（平妻ともいいます）があります。台枠は，車体の基礎部分で，車体と台車を支える他，制御機器などを吊って支える役割を持っています。また，連結装置を支える場所でもあるため，前後方向の衝撃に耐えうる構造となっているのが特徴です。これらの各面体の材料に目を向けますと，側構体と同様の状況ですので，ステンレス鋼製車両と，アルミニウム合金製車両に分けて，それぞれ解説していきます。