新型銅合金(Cu-Fe-P-Sn)トロリ線の開発

摘要

トロリ線は，パンタグラフとの機械的な接触などにより摩耗するため，摩耗の進行に伴い順次張り替える必要がある。 トロリ線の張り替えは多額の経費がかかる上，作業間合いの確保などが必要となる。 そのため，トロリ線の保全上の最大の問題点は摩耗であり，トロリ線には耐摩耗性や経済性が求められている。 そこですず入りトロリ線よりも耐摩耗性に優れ，すず入りトロリ線同様，量産が容易で汎用性に富むCu-Fe-P-Sn合金を素材に用いたトロリ線を開発した。 本報では，このCu-Fe-P-Sn合金トロリ線について実施した基本特性·性能評価結果について述べる。