現場上向ロボット溶接工法の開発と適用－現場溶接型鉄骨梁の施工省力化·耐震性向上

摘要

今回開発した本工法は，梁の下フランジをロボットで上向溶接することで，従来は必要であったスカラップを設けずに現場溶接できる技術である（図1の［本工法］参照）。スカラップを無くすことで地震時のき裂発生を抑制できるため，現場溶接型の経済性を活かしつつ，工場溶接型ノンスカラップ工法と同等の高い耐震性を実現することができる。また，標準技術とした確立されている下向ロボット溶接などと併用することで，梁端現場溶接の自動化·省力化が図れる。本稿では実施例が少ない上向ロボット溶接の溶接部材料特性を述べ，本工法を活用して耐震性を高めた現場溶接型鉄骨梁の構造性能を説明する。さらに，本工法を実際の現場工事に適用した2件の実施例を紹介する。