産業保健における保健師の役割

摘要

産業保健における保健師の役割は，長く結核感染症対策が中心であったという歴史的な背景から，ともすると企業内の診療所業務のイメージが強く，医師の介助を行なう看護師と区別されないといった現実があるように思います。 また，個人的な経験からも，産業医ですら保健師業務を理解していない，雇い主である企業も，保健師の役割が理解できず，雇用形態も嘱託契約が多く，その評価も低いのが実態です。 一方で，企業に従事する保健師自身も，自らの役割について十分に理解できていないことも多く，産業保健における保健師の役割の整理と共通理角牢の重要性が増していると思います。