社内技術研修における「失敗に学ぶ勉強会」について

摘要

「ゴミも分別すれば資源」という標語があるが，失敗も正しく伝承されれば，社会および企業にとっても大きな資産に変換される。 失敗経験を個人の小さな引出しの奥底に収納するのではなく，失敗の発生経緯，原因，対策，その後の経過を整理し，正確に認識させることが望まれる。 未然に失敗の魔の手より逃れられればマイナスが完全にプラスに変換される。 また，失敗は各企業の製品に密着したものである。 教科書や参考資料には記載されておらず，これを製品に反映させていければ強い経験に裏打ちされ，他が真似のできないものになる。 この想いを基に，技術研修の一環として「失敗に学ぶ検討会」とやや長い名称の有志による勉強会を開設している。 その開設した経緯と目的をまず述べ，実施状況，問題点および今後の進め方を概説したい。