酢酸ナトリウム三水和物一水混合物の融解特性

摘要

現在多くのシステムを利用する際，排熱が発生する．その発生した排熱を無駄なく蓄えることが出来ればエネルギーの有効利用につながる．また，温熱を蓄えることが出来れば，低コストの太陽エネルギーを有効利用することも可能となる．ゆえに，温熱蓄熱はエネルギーを夜間に有効利用するために重要な技術である．多様な蓄熱材料がある中で，今回は常温～中温域で使用される潜熱蓄熱材料について考える．潜熱とは相変化する時に発生·吸収される熱であり，温度変化による顕熱に比べて一般的に大きく，潜熱蓄熱はより多くの熱を蓄えることが出来る．本研究では，酢酸ナトリウム三水和物の水分含有率と潜熱量の関係を調べることを目的とする．酢酸ナトリウム三水和物を加熱し，水分を蒸発させることにより水分含有率を求める．また，酢酸ナトリウム三水和物の相図（図1）を用いて，酢酸ナトリウムと水の状態について考察する．