圧電振動体と熱及び音場の有限要素シミュレーション

摘要

超音波技術の計測分野への応用には超音波流量計、魚群探知機などがある。また超音波診断装置などの医療分野にも広く使われている。一方、強力超音波は加工部品の洗浄、プラスチック製品の組み立てなど産業に無くてはならない技術である。圧電振動体のシミュレーション技術については、主に有限要素法を用いた開発が精力的にすすめられている。例えば、圧電振動子の定常あるいは非定常振動解析（共振周波数、振動モード、入力インピーダンスなどの解析）、圧電トランス、圧電振動－温度特性、振動ジャイロの解析などである。本稿では強力超音波機器では避けて通ることのできない圧電振動と熱問題について、定常状態への適用例を示す。次に超音波洗浄機を取り上げ、圧電振動と音場が達成した問題として電気端からみた入力アドミタンスの変化、槽板の振動変位分布そして槽内液中の音圧分布を考察する。