医用超音波：心臓超音波断層像のビデオ信号処理による僧帽弁の検出と座標認識

摘要

現在、日本人の死亡原因として心疾患は癌に次いで2番目に高い割合であり、その診断には超音波診断法が特に有用であり広く普及している。また、高齢化社会の到来に伴う医師数に対する患者数の相対的増加に対し、近年の高速·大容量通信を利用した遠隔医療の必要性が叫ばれて久しい。 これまで我々は、超音波の安全性から、医師と患者が離れた状態で診断を行う超音波遠隔診断の研究を行ってきた。 しかし、ネットワークを介した操作は時間遅れが伴い、さらに通常の超音波診断とは操作法が異なるため、所望の断層像の取得に時間がかかるといった問題点がある。 そこで本研究は、通常とは異なる遠隔操作を介して超音波断層像を撮影することを想定し、画像処理の手法を用いて臓器の形状や特徴をリアルタイムに自動認識させ、探触子の操作を補助するソフトウェアの実現を目的とする。