弾性表面波の超音波接合への応用－固体振動系によるMHz帯超音波溶着

摘要

それに対して筆者は、SAW素子のもつ広い伝搬路をそのまま溶着工具面として利用すれば、より高い周波数で大面積の溶着が可能になると着想した。 SAW素子の周波数は交差指電極の幅と間隔で決まるため、数MHz以上の周波数も容易に利用できる。 さらには、第1図に示すように、SAWの振動軌跡は楕円であり、これは溶接強度や溶接時間の向上に役立つ複合振動となっている。本稿では、1.25MHzと2.5MHzのSAW素子を用いたプラスチックフィルムの溶着実験について述べる。 本方式に関する研究は始まったばかりであり、必ずしもまとまったものとは言い難いが、読者諸氏のご意見を賜ることができれば幸いである。