海底地震計を用いた海底下深部構造探査－海溝型大地震発生域の地震波トモグラフィ

摘要

超音波を応用した非破壊検査は、機械や構造物を構成する材料内の状態をそのままの状態で診断する手法として広く用いられているほか、人の体内の鮮明なイメージを得ることによって、けがや病気の状態を診断することが可能であるために医療の分野でもすっかり定着している。 地震波を使った地下構造探査も、我々が住んでいる地球という星の内部を、非破壊で明らかにする技術である。 しかも、地震波は超音波と同じ弾性波動であって、透過する弾性波の振る舞いから媒質のもつ性質を推定しているという点において、超音波を用いた検査とまったく同じ原理に基づいたものである。本稿では、、周波数が10Hz以下の弾性波（地震波）を用いた地下構造探査のなかでも、海底地震計を用いた海底下深部の構造を調べるための技術について概観する。