超音波加工：小径内面の超音波援用研削に関する基礎研究－超音波振動による研削抵抗低減のメカニズム

摘要

本研究では、超音波振動を砥石軸方向に付加した定切込み超音波振動援用研削について検討している。 これまでに超音波振動スピンドルを試作し、それを中心とした実験装置を構築して平面研削実験を行った。 その結果、超音波振動の付加によって研削抵抗は、本実験条件の範囲では法線研削抵抗は65％以上、接線研削抵抗は70％以上低減することを示した。 また、研削面には超音波振動付加による正弦波状の砥粒切削痕を確認し、表面粗さは最大で約29％低減することが分かった。 本報では、超音波振動を付加することにより砥粒の切削軌跡が長くなることに着目し、超音波振動を付加することによって起こる研削抵抗低減のメカニズムについて考察する。