「原油70ドル時代」に突入！

摘要

編集部－原油価格は4月に入って，再び史上最高を更新する勢いをみせている。NY·WTI相場は13日までに70ドル／パーレル目前となり，ドバイ原油も65ドル台に急接近。 その背景に横たわるのは，イランの核開発を巡る緊張や，イラクの内政混乱，ナイジェリアの生産停止など，中東産油国の政情不安に加え，米国におけるガソリン供給懸念など，どれをとっても短時日では解決できない問題ばかり。 実質的にも石油危機時に迫りつつある原油価格，今年は新たなステージに切り上がるおそれもあり，産業界は戦々恐々とその行方を見守っている。 国内では，厳冬で灯油需要が伸びたものの，主役がガソリンに移っても，一向に市況は上向かず，SSはマージン圧縮に苦しんでいる。 コスト転嫁の遅れ·不足が日立つ産業用中間留分も，ここ2，3年の価格高騰により，都市ガス，買電への燃料転換が進行。 環境間題も逆風も加わり，石油離れが加速している。 5月は“70ドル原油”に対応した元売仕切の大幅な上昇が予想され，ユーザー転嫁は待ったなしの状況。 ガソリンも中間留分も需要落ちが顕在化する中，それでもコスト転嫁の手を緩めるわけにはいかない。 5，6月は製油所定修期で，需給引き締まりも予想され，夏場を前に，“メシが食えるレベル”まで市況を引き上げ，安定させたいところ。 業界にとって5月は，今年これからの行方を左右する重要な月となりそうだ。