OPEC減産を上回る大暖冬需要減

摘要

2006年は大変な高気温の年となった。とりわけ，10月以降の暖秋·暖冬は，例えばヨーロッパでは700年ぶりといわれているし，英国の秋は3世紀以来の高気温とも報じられた。ニューヨーク市の11～12月は全く雪が降らなかったが，こんなことは1877年以来だという。 1月10引こなってようやくニューヨークにも雪が少し舞ったが，これが280数日ぶりの雪だった。 西欧はおろか北欧にも12月というのに春の花が咲き乱れ，モスクワのクリスマスは1879年以来の暖かな「グリーン·クリスマス」となった。 スイスでもオーストリアでもスキー上に雪がなく，米国北東部ではスキーヤーがストックをクラブに持ち替えて，半袖姿でゴルフに興じた。 動物園の熊たちは冬眠できず，ソフィアの動物園では餌を大量に与えて眠らそうとしたがダメ。 キエフの熊は1月10日過ぎになってようやく眠りについた。 ある石油アナリストは「12月の大境冬で石油需要は世界で100万バーレル／日減少した」という。 OPECが11月から120万バーレル／日の減産に入ったが，この実際の規模は78万バーレル／日といわれている。 減産規模を22万バーレル／日も上回る需要減過となったのだ。 これでは減産効果は続かない。 12月一杯60ドルを維持するのが精一杯のことだったのだ。