原油高値の最大の要因は米国石油市場の不安定性にある

摘要

6月初めから11月末まで米国は「ハリケーンの季節」。 今日（13日）にも今年最初のトロピカル·ストーム，アルベルトがフロリダ半島のつけ根のメキシコ湾岸に上陸するもようだ。 上陸前にハリケーンのカテゴリー1に発達しそうで，そうなると過去40年間で最も早いハリケーンの上陸だ。 「日刊セキツウ」でも伝えたとおり，5月22日，米国の海洋大気局（NOAA）は今年のハリケーン予測を発表した。 それによると，今年もハリケーンの「当たり年」。 大西洋·カリブ海·メキシコ湾で発生する熱帯性暴風雨のうちトロピカル·ストームまで発達して名前が付与されるものは，今年も13～16個になり，そのうちの8～10個はハリケーンまで成長しそうだという。 更に，そのうちの4～6個はカテゴリー3以上のハリケーンとなる。 そのいくつがメキシコ湾及び湾岸の石油·天然ガス施設に被害を及ぼすことになるかはわからないが，NOAAによれば，1995年以来海洋と大気の状況はハリケーン多発型となっている。 発生数も大型化数もそれまでとは比較にならないほど増加している。 EIA（米国エネルギー情報局）は6月7日，"The Impact of Tropical Cyclones on Gulf of Mexico，Crude Oil and Natural Gas Production"を発表して，ハリケーンの石油·天然ガス生産等への影響を分析·予測している。 昨秋の被害からもなお完全には立ち直っておらず，米国の石油市場はこの先の不透明感がますます強まっている。