需給逼迫，コスト急騰産燃油市場，大波乱の新年度入り

摘要

偏西風の蛇行によってもたらされた寒気の流れ込みは3月に入っても続き，25日朝は鹿児島県えびの市などでも季節外れの積雪となった。 今冬はこのように西日本でも3月後半まで気温の低い日が続き，灯油やA重油が一段と需給逼迫となる中でシーズン明けを迎えようとしている。 加えて3月入り後のドバイ原油市況は7営業日連続で過去最高値を更新し，その後も4国高値記録を塗り替えるという暴騰局面を迎えるに至り，元売各社の4月仕切は前月比一気に5円／l弱もの連続値上がりとなった。 需要期明けを前にした3月の需給逼迫は，元売各社の低在庫政策が拡がった3年程前から顕著になっているが，今年の3月は昨年に続く再度の原油市況高騰局面となり，2月比5ドル／バーレル超もの値上がりとなったドバイ原油のコスト上昇を追って海上スポット市況も暴騰，市場では先高観が一層強まっている状況だ。 大幅なコストアップを受けてガソリン市況は3月後半から3円／l前後値上がりしてきたが，問題は供給が超逼迫状況となってきた中間三晶。 3月後半に需要家への納入削減要請を行うディーラーも出始めるという異常な状況の中での大幅値上げ交渉となっており，一部で開札が始まった官公需新年度入札でも不落が続出するという大波乱の新年度入りとなっている。