NGL·LPガスの白熱議論が展開されたLPガス国際セミナー（4）

摘要

当初「LPガス国際セミナー2013」は本誌で3回の連載予定だった。しかし，これが第4回＝最終回だ。最後の総括質疑が今回セミナーでは極めて有意義だった。LPガス国際市場は一大転換期を迎えている。何度も繰り返すが，シエールガス～シェールオイル革命がNGLを通じてシエールLPガス革命と米国の石油化学産業の劇的な復権につながっている。この一連の連関する革命を正確に理解するにはかなりの知識を必要とする。「LPガス国際セミナー」はこの理解と啓蒙のために精力的に取り組んだ。なによりもエルピーガス振興センターのみなさんに感謝したい。せっかく決定した「LNG先物市場創設」にケチをつける気は毛頭ないが，このセミナーの成果は「日本の輸入するLNGは高い。原油リンクで，長期契約で買っているからだ。先物市場を立ち上げよう。そうすれば価格は下がる」という単純な発想では捉え切れない価値がある。「シエール革命」の内在する課題に，実は業界枠を越えて挑戦しているのだ。こうすることが「フォアザジャパン」に多大なる貢献をする。一点突破的な発想では容易に日本の今日の苦境を救うことにはつながらない。シエールガス·オイルを安価に安定的に日本に輸入するには，石油化学もL Pガスも巻き込んだ総合エネルギー視点に立った取組みが必要なのだ。その枠組みを「LPガス国際セミナー」はみごとに描いてみせた。