LPガス4月CP，プロパンが原油の90％に

摘要

サウジアラムコ社は3月31日，LPガスの4月CPをプロパン790ドル，ブタン835ドルとした旨，関係輸入各社に通知してきた。前月に比べてプロパンが105ドル下げ，ブタンが60ドルの下げとなった。需要期終了による国際市場の取引低下を受けて，プロパン·ブタンともに下げたものの，ブタンはナフサ高を反映して石油化学からの買いが目立ち，極東市場では「プロパン安·ブタン高」の市況となっていた。これを受けて3カ月続いたP·B同値から「45ドルのブタン高」となったもの。「家庭業務用主導のLPガス市場」が，「石油化学原料市場主導のLPガス市場」に転換したことを示す形となった。　3月のLPガス国際市場は需要期終了直前だったことで各市場は輸入需要の減少により大幅な軟化となったが，それでも中東市場はサウジの原油減産でスポット玉の市場供給が減少して市況を下支えしていた。しかし，サウジのカヤンの石油化学プラントのメンテナ ンスから供給が増加するに及んで，市況は大幅に低下した。原油市況とナフサ市況が下落したことも軟化に拍車をかけた。ただ，今冬は欧米·極東ともに寒い冬となった。米国の北東部や北西ヨーロッパは3月入り後も断続的降雪が続き，天然ガス市況も4ドル／百万Btuを超える局面もみられた。以下，4月CP決定の諸要因をみていく。