原油高で中部を除く9杜が値上げ4月は太陽光サーチャージ加わる

摘要

12月分の円建て輸入燃料価格が判明した1月31日，電力10社は3月検針分適用の燃料費調整単価などを発表した。平均燃料価格が引き続き改定時の基準値を下回っているため，3月検針分でも値下げ調整が継続する。しかし，2月に対しては横ばいの中部を除いた9社で値上げになる。10～12月の燃料価格で大きな変化をみせたのは原油。ドル建て価格が前3カ月平均より4．5％もの続騰となったことから，史上最高の円高をもってしてもその影響は避けられず，円建て価格は4．1％（1，690円／kl）も上がった。一方，石炭ははば横ばい，LNGはわずかに続落した。そのため，原油の使用比率の高い電力ほど平均燃料価格が底上げされ，値下げ調整幅は2月検針分より縮まった。とはいえ，値上げ幅は1銭～12銭／kWhと小幅だったため，2月の支払い月額に比べた標準家庭の値上がり額も3円～36円に過ぎない。各社の値上がり月額は北海道26円，東北14円，東京17円，北陸18円，関西9円，中国12円，四国15円，九州3円，沖縄36円。－方，11～1月の通関価格から算出する4月の燃調では，原油が更に5％近く値上がりしそうな状況にあるため，石炭とL NGが横ばいにとどまったとしても10社揃って今回の平均燃料価格を上回る公算が大きい。更に，太陽光発電促進付加金いわゆる太陽光サーチャージが4月検針分から全用途の電気料金に転嫁されることから，値下げ調整幅は一段と縮まる。つまり，3月に対する値上がり単価は，8銭～21銭に拡大すると予想される。標準家庭の値上がり月額は24円～63円になりそうだ。