燃料高で電気料金は6月も値上げ7月は中部も値上げ調整に変わる

摘要

1～3月も円建て輸入燃料価格から計算した電力各社の平均燃料価格は続騰した。前月同様9社で料金改定時の基準値を下回ったが，その差は更に縮まり，中部電力は200円／klだけになった。前月で基準値を超えた北陸電力はその幅が1,200円に拡大した。9社は6月検針分でも値下げ調整が，北陸は値上げ調整が実施されるが，燃調単価適用後の電気料金はいずれも5月より高くなる。燃料価格はすべて値上がりした。3月の輸入価格は前月と同様，原油，LNG，石炭が揃ってドル建て，円建ての双方で12月分を大幅に上回り，1～3月の平均円建て価格は前期12～2月に比べ，原油で5.6％，LNGで3.8％，石炭で3.1％高と，前月並みの値上がりペースが続いた。その結果，北陸の基準値超えは1,200円（5.5％）に拡大，基準値を下回っている9社の基準値との差も200円（0.7％）～6,000円（14.1％）に縮まり，基準値に近づく傾向が続いている。北陸の値上げ調整単価は特別高圧で17銭／kWhに拡大し，9社の値下げ調整単価は4銭（中部）～1円09銭（東京）へ縮まった。この特別高圧の6月分調整単価を適用した料金単価で，5月検針からの値上がり率を試算すると2％前後に収まるが，前年6月料金に対しては，太陽光発電促進付加金も加わるため5％～10％に跳ね上がる。4月分の輸入燃料も続騰が確実なため，2～4月の平均燃料価格は1～3月を上回り，7月分の電気料金も続騰する。予想される円建て燃料価格の値上がり率は，原油6.7％，LNGが3.7％，石炭が4.0％で，中部の平均燃料価格も基準値を超える。引き続き基準値を下回る8社の差も400円～4,200円程度に縮まる。特別高圧は北海道を除いて夏季料金が適用されるため6月からの値上がり率は11～13％にもなる。太陽光サーチャージの上乗せにより前年同月に対しては5～11％高になる。