LNG高依存5社が料金値上げに追加単価消える4月は値下がりか

摘要

12月分の円建て輸入燃料価格が判明した1月29日，電力10社は3月検針分適用の燃料費調整単価などを発表したが，単価は改定料金から値下げになる。しかし，2月に対しては値下げが4社，値上げが5社，据え置きが1社になる。昨年5月から実施した新燃料費調整制度の適用は今回で11回目。ただし，毎月適用は旧制度の最後にあたる昨年4月から始まった。同時に1年間の予定で始まった追加的な値上げ調整単価はこの3月で終了する。4月検針分では家庭用に反動下げが発生する。10～12月の燃料価格は，原油もLNGも石炭も料金改定時の基準値を下回ったため，調整値下げが続くが，前9～11月に比べると，石炭が4.2％続落したものの，原油が1.4％，LNGが5.1％ともに続騰したことから，4社で値下げ，5社で値上げ，1社が据え置きになった。値下がりする4社は石炭続落の恩恵を受けた北海道と北陸，四国，沖縄，値上がりする5社は，LNG続騰の影響が強く出た東北と東京，中部，関西，九州。しかし，毎月改定のため，前期からの変化幅は値下げ組も値上げ組も小幅。なお，特高料金の3月燃調適用後単価を改定時と比較すると，北海道87.7％，東北89.0％，東京81.2％，中部95.4％，北陸96.9％，関西90.9％，中国88.9％，四国92.8％，九州93.2％，沖縄87.1％となり，値下げ率の縮小傾向が続いている。一方，11～1月の通関価格から算出する4月の燃調では，円安への転換で燃料の輸入価格は値上がりするが，激変緩和措置と経過措置が消えるため，家庭用では3月検針料金から月額30円～140円の値下がりが予想される。