2010年内外石油情勢の回顧

摘要

12月入り後，原油市況は上昇傾向を強めており,WTI（NYMEX）は7日た一時90ドル／バーレルを突破した。今回の90ドル／バーレル突破は2008年の夏に1470ドル／バーレルの史上最高値を記録した後,世界的な景気後退を背景に急落に向かった同年10月以来2年2カ月ぶりのこと。WTIは一昨年暮れから昨年初めにかけての40ドル／バーレルをボトムに上昇，昨年10月から今年1年間を75～85ドル／バーレルといった高値で安定した推移を辿ったが，投機資金の流入やドル安傾向に米国及び欧州の寒波が加わり，年末にかけてもう一段市況が上昇するのではとの見方も少なくない。