LPガス関係概算要求流通関連15億円増の285億円

摘要

平成23年度LPガス関係予算概算要求額は，資源エネルギー庁石油流通課関係が前年度予算額を15.1億円（5.6％）上回る285.6億円，また，原子力安全·保安院石油ガス保安課関係が同0.6億円（15.8％）減の3.2億円となった。厳しい財政状況や事業仕分け等の下，「一律10％カット」などが求められていたが，経済産業省要求額は省内レビューを経て一般会計概算要求額が9,343億円，特別枠に対する「要望」額1,067億円の合計1兆410億円（22年度予算額比488億円，4.9％の増加）となった。23年度予算概算要求の基本的考え方は新成長戦略，産業構造ビジョン，エネルギー基本計画の3つある。これらに含まれた退っ引きならぬ政策を実現するための事業に重点配分されたのである。特に資源·エネルギー関連は，今年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」に基づく「2030年までに現状エネルギー自給率18％を倍増させることを通じてエネルギーの安定供給を実現させる中で，エネルギー起源のCO2の90年比30％削減を目指した点に特徴がある。したがって，エネルギー対策特別会計は22年度予算額比642億円増の7,580億円となった。LPガスに関しても「基本計画」に織り込まれた「低炭素社会型成長を可能とするエネルギー需要構造の実現」の一環としての「産業部門における高効率設備によるガスへの燃料転換」，家庭部門での「高効率給湯器の普及促進（今後3年で2倍の200万台，5年で3倍の300万台，現状90万台）」を目指した重点政策目標の増加が盛り込まれたほか，安定供給のベースとなる国家備蓄事業も増額となった。このため，これまでは定番として盛り込まれてきた要求項目も実態との乖離があるものや省内レビューによる見送りが決まった項臥事業仕分けで必要性の乏しさが指摘された項目などは，自発的に計上が見送られ，徹底した重点配分化が図られている。以下　その概要。