元売4社，2009年度決算と中期経営計画発表

摘要

上場元売4社（新日本石油，新日鉱ホールディングス，出光興産，コスモ石油）はこのはど，2009年度（2010年3月期）連結決算とともに，2010年度を初年度とする中期経営3カ年計画及びその先の長期ビジョンを策定，発表した。2009年度は，原油価格の低下と内外の需要不振で売上高は20％前後の減収，営業，経常利益は在庫影響で出光以外は増益となったが，在庫影響除きでは4社とも大幅な減益となり，金属部門を持つ新日鉱ホールディングス以外は赤字（新日石·経常利益▲435億円，出光·営業利益▲189億円，コスモ経常利益▲162億円）となった。2010年度の業績見通しでは，燃料油マージンの改善を織り込んで，各社とも収益のV字回復を予想しており，新日石と新日鉱HDの合併会社であるJXホールディンクスは実質1,700億円（前期比1,853億円増）の経常利益を見込んでいるはか，出光も729億円増の500億円（営業利益），コスモも742億円増の580億円と，今期の業績回復への意気込みは高い。更に中期経営計画では，2年後の2012年度の経常利益目標を3,300億円（JX），1,200億円（出光·営業利益），650億円（コスモ）に置いて，精製能力と人員の削減等を柱とする石油精製·販売部門の合理化，石油開発や新エネルギー事業への積極投資，海外事業の展開拡大などの成長戦略を描いた。2009年度は赤字に転落した燃料油事業だが，過剰能力解消や「新·新仕切体系」によって，収益基盤を再構築する方針。精製マージンの回復·維持に向け，これまで以上に強い決意をにじませている。