久々のコスト上昇局面迎え産燃油市場の値上げ交渉始まる

摘要

世界的な暖冬傾向で年明け後も一段と軟化が進んでいた原油市況は，2月になって米北東部にようやく訪れた寒波やIEAの世界需要見通し上方修正，打開策がみえないイランの核疑惑間魔の不安などから1月比4ドル／バーレルほどの上昇となった。 これを受けて石油元売各社の3月仕切は，コストベースで2月此1．4～2．2円／eの値上げ打ち出しとなった。 実行ペースでは各社ともこれまでの上昇局面での取り残し分を上乗せすると説明しており，これを新日石ベースでみると，3円／e程度の値上がりになるとのアナウンスになっている。 1月コストも1円／e強の値上がりだったが，暖冬と2月のコスト安を前に値取りは挫折し，逆に実行ベース仕切ではガソリンを筆頭に値下がりする展開となっていた。 しかし，今回は，4月仕切打ち出しも引き続いて値上がりするとの見通しの中，製油所の定億シーズン入りで需給も締まってくるとの観測のもと，本格的な値上げ局面となる公算が大きい。 すでにスポット市況も上昇し始め，前哨戦としての需要家との3月分価格交渉でも，3円／eはどの大幅な値上げ申し入れとなった部分も少なくないようだ。