需要減で難航するA重油値取り成るか需要期前の60円／l台乗せ

摘要

秋になっても原油市況の騰勢基調が続いており，12月仕切は下げ局面との大方の予想も怪しくなってきたようだ。 製品市況もいつまでたっても下げ気配をみせず，灯油をはじめとする石油製品の需要期前のため込みも難しい状況が続いている。 このままでは予想外の寒波でもきたら灯油の安定供給にも支障が出るのではと懸念する声も上がり出した。仕切は8月上げ～9月下げ（打ち出しは横ばい）～10月上げと乱高下し，末端値取りを混乱させている。 シーズン入りを前にして，暖房用油種の市況作りが課題となっているが，その中でも最も値取りが遅れているA重油が焦点となってきた。 需要不振による需給の緩みで中間三品の中でも一段安の市況が続いているからだ。 9月までのA重油市況は大口納め値取りで60円／l乗せが大きな壁となって立ち塞がり，官公需の下期分入札でも60円／l割れが多発している。 灯·軽油市況とは3～4円／lかそれ以上の格差が生じており，原油市況が過去最高値を更新する中で需要期に向かって大口A重油価格の立て直しが生·販の採算回復への必須条件となってきた。