「セキュリティ確保が根幹」明確に新年度エネルギー政策決まる

摘要

平成16年度エネルギー関係特別会計の予算案が昨年暮れ，財務省から内示された。石油及びエネルギー需給構造高度化対策特会（石特会計）は6,242億円で15年度比0.2％の微増。 電源開発促進対策特会（電特会計）は5,033億円で同3.7％の増加。 これらを合計したエネルギー特別会計は1.7％増の1兆1,275億円となっている。エネルギーの安定供給確保と国際協調からの環境への適合を優先事項としたエネルギー政策基本法及び同基本計画の趣旨に沿って，16年度のエネルギー政策は不安定化する中東情勢を睨み，エネルギーセキュリティの強化と原子力安全確保策に重点が置かれたほか，備蓄，開発関係では今年2月に石油公団に代わって発足する独立行政法人関連の予算内容が決まった。 　 石特会計のうち，石油対策は合計3,678億円で前年度比5.8％減。 16年度の新政策のうち，主なものは余剰精製能力解消に向けた資金補助やサルファーフリー石油燃料の導入促進支援など。 予算が大幅に拡充されたのは，石油·天然ガス資源開発に関する海外地質構造調査，SS業者の構造改善円滑化事業など。 石油の有効利用による環境保全や石油製品の晶質改善，DEM燃料利用機器，自動車次世代燃料技術の開発といったエネルギー·環境対策費は総額439億円で，15年度比27億円増と引き続き増加する。