Ni基超耐熱合金を越えられるか-γ'相析出強化を利用した新型Co基超耐熱合金

摘要

近年のCO_2排出量規制をうけて，主要なCO_2排出源である電力，航空，自動車産業では，発電用タービンやジェットエンジン，ガソリンエンジンといった熱機関の効率の改善が重要な課題の一つとなっている。 一般に熱機関は，その運転温度が高温であるほど熱効率が高く，消費する燃料が少ないため省資源で経済的である。 また，CO_2ガスなどの排出量も少なくて済むことから，環境に対する負荷も小さい。 しかし，これらの熱機関を構成する材料の観点からは，高温になるほど材料の変形が容易になり，また燃焼ガスによる酸化·腐食が起こる過酷な環境である。 そのため，超耐熱合金と称されるNiやCoを主成分とする金属材料のみが実用に耐える材料として利用されてきた。 超耐熱合金は，熱機関の特性を左右する因子として極めて重要であり，これまでに多くの研究開発が行われている。