導電性粒子の変形による接続不具合とその断面解析法

摘要

製品·品質改善のための詳細な観察および数値計算の適用法の一例を述べた。 ここで重要なのは，部品の仕様のみにとらわれるのではなく，トータルな製品品質,使用法の理解である。 そして，問題原因を特定するための，現象の的確な観察，そして，原因の推定である。 これらによって，数値計算モデルの簡略化が出来る。 図6に示したモデルは，単純な線形解析で行っている。 しかし，詳細な観察無しに，数値解析を行う場合は，粘弾性解析，塑性変形を含むので，非線形解析を用いなくてはならない。 これでは，モデルが巨大化し，計算時間もかかり，スピーディな解析が望めない。 簡略化したモデルが有効であるのは，TEMによる正確な観察が出来ているので，線形解析でも，原因把握には，支障が無いとした点である。 大量生産では，問題発覚から改善まで一刻を争う必要がある。 そのためには，現象を理解するための的確な観察，モデル簡略化によるスピーディな解析が必要である。 今回紹介した，有限要素法解析は，モデル件成から解析まで，数時間以内に出来るものだはである。 これを製造プロセスにフィードバックすることで，品質向上に絶大の効果を得ることが出来る。