バイオマスを直接電力へエネルギー変換する微生物燃料電池

摘要

18世紀英国に始まる産業革命以来，化石燃料に由来する二酸化炭素放出が大気中の二酸化炭素濃度を当時の280ppmから430ppmまで上昇させた結果，地球規模の温暖化がもたらされた。 一方で，中国·インドを始めとするBRICS（ブラジル，ロシア，インド，中国，南アフリカ）諸国の目覚ましい経済発展が2005年初頭からの原油価格の高騰を押し進める中，北海やインドネシアなど各地の原油生産が激減し，原油生産がその峠を越えて減産へ向かうというピークオイルの懸念が喧伝されるようになった。したがって，温暖化抑制に向けては，石油に依存しない低炭素エネルギー社会へ移行すべきであり，近い将来に原油の可採量が先細りし高騰する石油は使いたくとも使えなくなるだろう石油エネルギー時代の終焉期にある。