塗料循環系における非接地金属継ぎ手の危険性評価－液体循環系での帯電エネルギー

摘要

一方、塗装現場では静電塗装機の高電圧発生器に対する取り扱い上の注意点や危険性と回避方法の学習が徹底すればするほど、その反動で高電圧発生器の安全機能さえ動作していれば安全は確保されているという取り扱い作業側の意識が強くあるようで、加えて高電圧発生器が運転されていない状態では安全に対する配慮が低下し、勘違いや、思いこみ、見落としなど人為的な原因から出火に至る例も見受けられる。塗装ブースでは過去の災害事例から危険回避として溶剤ウエスの置き忘れのないことや金属バケツなどの可搬器具の接地があり、作業基準として徹底されている。ところがチューブ同士をつなぐための重さ数十グラムの継手1個に至っては、高電圧源の近くになければ危険性は十分低いとか、静電容量が小さいので、問題にはならないだろうなどと軽視されるケースもあったようである。