自己放電式除電器による空気輸送粉体の除電

摘要

粉体の空気輸送において配管との摩擦によって帯電した粉体がサイロ内に持ち込まれると，静電気放電が着火源となって粉塵爆発を誘発する危険性がある。 その防止のため筆者らはサイロ充填パイプの端末に取り付けるノズル型除電器の開発を行っている。 これは充填パイプと同径のパイプにノズル型イオナイザを取り付けたものである。 ノズル型イオナイザでは高電界によりノズル内の針電極でコロナ放電が起こり，これにより生じた空気イオンが上記パイプ内に吹き込まれ，通過中の帯電粉体が除電される。 ノズル型除電器としては，高電圧電源を使用する電圧印加式の開発のほか，安全性及び経済性を配慮して電源を使用しない自己放電式の開発も行っている。 後者は，サイロ充填パイプの端末に絶縁性短管を接続し，これにり針電極を接地したノズル型イオナイザを取り付けたものである。 本研究では，自己放電式粉体用除電器の除電機構及び除電性能を明らかにするため，実規模粉体空気輸送実験によって各種試作除電器の除電特性を評価したので，その結果について述べる。